ブレーカーがよく落ちるかは、設計次第

美容室施術ドライヤー使用中に、よくブレーカーが落ちる…そこには、理由があるのです。
開業時の設計段階で、コンセントの“回路分け”がしっかりできていなかったためです。
 
店には必ず分電盤というモノがあります。
メインブレーカーという親分みたいなスイッチとその横に子分みたいな6~12個ぐらいスイッチが並んでいるやつ。
ドライヤーをかけ始めると、親分スイッチが落ちることもあれば、子分スイッチだけが落ちることもあったりします。
この子分スイッチ1つが、いわゆる1回路となります。
 
さて、ドライヤーの電力約1200W
そもそも1回路すなわち子分スイッチ1個あたりの許容量は1500Wなのです。
もしそれを超えてしまうほどの負荷がかかると出火しないよう安全のため作動しブレーカーのスイッチが切れるという仕組みです。
したがってドライヤー用コンセントは単独で1回路が必要なのです。
コンセントの差込口が2個あるからドライヤーを2台同時に差して使えばたちまちブレーカーは落ちてしまいます。
 
美容室慣れしていない設計者や工務店は、このシンプルな知識を見落とすことが、しばしばあります。
店内の複数箇所に設置したコンセントのいくつかをまとめて、“回路分け”を少なくしてしまったりするのです。
美容師さんが、客席1つにドライヤー2台使用することがあるのなら、事前の設計段階で、その要望をしっかり伝えなければなりません。
これがきちんと伝われば、仮に2口の差込口でも、それぞれ別回路に分岐されて分電盤の2つの子分スイッチとして“回路分け”されればブレーカーは落ちないのです。
こうした回路分けは、美容室店舗設計に重要な知識ですが、そういった知識がない設計者もいるのです。

「美容室経験はありませんけど、店舗設計自体はそこそこキャリアがあるので大丈夫です」という設計者には十分気をつけましょう。
単純にカッコイイ雰囲気のデザインを提案してくれるとか、センスが良いとかだけで設計者や工務店を選ぶのは禁物です。

これは、美容室に限ったことではなく、どの業種の場合も同じ。
業種ごとの専門知識と勘所を、しっかり経験として把握している設計者や工務店に依頼するように心がけましょう。
設計者や工務店は作業が終われば終了ですが、オーナーさんはこれから長い期間そこで過ごすのです。
ブレーカーがよく落ちる、、、小さなストレスが10年続けばチリも山のように積もります。
開業計画の小さなポイントも、積もり積もれば大きな歪みを引き起こします。
一つ一つしっかりポイントをおさえて開業計画を進めましょう。

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