bh 飯島由敬・著書ご紹介–
開業したら、休日はしっかりとととるべし!
開業当初は、きちんと稼がないといけないから、お休みは最小限で頑張ろう!
稼げてきたら、きちんと休みをとれるようにするのだ!
こんな調子で開業すると、実はこれ、危険な落とし穴となります。
これは業種を問わず新規創業オーナーが陥りやすい落とし穴です。
私が店舗デザイナーの頃に店舗デザインを担当させていただいた飲食店開業オーナーの一人は、売上のよい大繁盛の人気店を自ら5年で閉めてしまいました。
売上がよく、お客様も大勢いるのに、なぜ閉店してしまったのか。
オーナーに聞いてみると、「もう身体が持たないんだよ。疲れた。しばらく休みたい。このまま店ごと他の人に売ることにした。」という言葉が。
実は、このオーナーは、開業当初からきちんと休みを取らずに、店舗経営を続けていたのです。
どの業種でも開業から1年前後は思うように運営が軌道に乗らないものです。
いずれ”安定したら”と開業前に思っていても、実際運営の渦中では、“安定した”という実感など得られないのです
月間たった1日の休日を増やすことにより、1日平均売上分が前月よりも減ってしまう恐怖感に襲われ続けるのです。
無休で頑張り続けて、売上が良くなってきたとしても、そろそろ休日を増やそうとは思えなくなります。
また、創生期に体感したオーバーワークはいつしか“普通”になってしまい、開業初期の厳しい日々の体感に慣れてしまいます。
創業時に無休運営を宣言してた開業者が、数年後に休日を増やし家族や自分の為に時間を得ている確率はとても低いのです。
最初は身体がキツかったけど、慣れたから大丈夫です!
1日平均売上が10万円に達するサイクルに到達してる場合、1日休日を増やせば売上が10万円減る!売上を落とすよりは、今までどおり頑張る!
この負のループに身も心も陥っていくのです。
いずれ「全然休めないよ~誰か休みをくれ~!」と悲鳴を発することになります。
冒頭でお話した5年で人気店を閉店してしまった飲食店開業オーナーは、こんな話もしてくれました。
「開業時の運営スタート時点で、きちんと週1~2回の休みを作ってスタートするべきだった。
確かに客が付くまでの1年は大変だったけど、それ以降、実際に客が付いたら休みを増やすなんてこと無理よ。
多忙になった頃から自分の身体がヤバイことは気づき始めてたけど、途中からはどうにもできません。休みは増やせない、忙しさは増すばかり。何のためにやっているのかわからなくなってきた。お金は十分あるけど、休めないのは本当に辛い。
飯島さん、もし今後、独立開業者が無休で頑張る!と言ったら、絶対に休みの日を取らないとダメだと厳しく言ってあげて。
とても立派なお店を作ってくれて、おかげでお金は得られたけど、お店の成功はお金だけじゃないってことをつくづく実感させられたよ。」
これは、どの業種の開業オーナーでも同じこと。
「創業時からきちんと休みを確保した上で目標売上が得られる採算を追求する。」
これが、開業計画の立て方の鉄則と心得ましょう。