物件が見つかる前に、旧職場を辞めてはいけません!
開業予定がある場合、元の職場を辞める時期って、いつ頃がよいと思いますか?
開業の意思が決まった段階?物件を探しだす段階?
よくあるのは、「まだ物件が見つかってないのに事前にお店を辞める」という人。
なぜそのような行動をしたのかというと、「本気で物件探すため」「自らに気合を入れるため」なんて、精神論的な言葉か返ってくることが…。
「物件が見つかっていないのに、事前にお店を辞める」と何が起こるか?を、考えてみましょう。
物件が見つかっていないと、開業融資の審査を受けることができない
まずは、物件が見つかっていないと、開業融資の審査を受けることができません。
開業するために自己資金だけで開業できる人は、ほとんどいません。
資金調達の開業融資を受けることになりますが、開業融資の審査をうけるためには、「物件が決まっていること」が必要です。
物件が決まらなければ資金調達の融資を受けることができないのです。
融資では不動産取得費用の計算書、店舗工事見積、備品見積、運転資金など、すべての予算配分と見積書式を融資機関指定の書式と一緒に提出する必要があるためです。
融資決定には時間がかかる
物件が決まって、開業融資の審査をうけたら、すぐに融資可能か回答がくるのでしょうか?
実は、融資が決定されるまでには、最低でも1か月程度の時間がかかります。
それらが提出され、後日面接があり審査。融資決定まで想像以上に時間がかかります。
融資決定後でなければ工事を始めてはいけない
融資の審査に時間がかかるのであれば、その期間に工事を進めてしまえば、早く開業できると考える人もいるのではないのでしょうか?
融資は申請したら、必ず受けることができるような簡単なものではありません。
もし、融資の審査が通らなかった場合、最悪の事態が起こります。
融資が失敗しても、途中まで進めた工事費は必ず請求されます。しかも非常に多額。融資がダメなら自己資金でその支払をするしかありません。
そのため、融資決定後でなければ工事を始めてはいけません。開業実現すること無く失敗してしまうことになります。
では、融資確定後から工事開始と考えると、物件決定から開業できるまでの期間はどのくらいの期間となるでしょうか?
物件決定~融資~工事~開店準備期間で、最低3ヶ月の期間が必要となります。
早期退職は、高額な予算流出や焦りからの妥協した開業計画に繋がる
退職後に物件探しをすると実際にお店の運営がスタートできるまで3ヶ月。なかなか好物件が見つからず仮に7~8ヶ月の期間になってしまうことも考えられますよね。
物件も見つけていない状態で退職してしまっていると、この期間は収入が無い状態。
辞めてから開業までの期間が空けば開くほど、給与相当の収入源が無くなり、支出だけが増えていく。
「先に退職して、支出だけが増えていく状態で物件探し」なんて状況では、どうなるでしょう?
「自分の計画に適合する物件を遂に見つけ出した!」というところまでたどり着かず、
「もう、この物件でいいや」と心が折れて妥協した物件探しになってしまうのではないのでしょうか。
退職からオープンまでの期間の生活費も、開業の予算組の一部です。
意気込みだけでの早期退職は、結果的に高額な予算流出や焦りからの妥協した開業計画に繋がることになります。
そのため、「物件も見つけていないのに、退職する」という事態は避けましょう。
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