開業後1年間は、生活レベルを上げてはならない

開業して2か月たって思ったより運営がうまくいった!
先月の売上もよかったし、今までの給料よりかなり多くなっている。
ちょっと良いところに引っ越そうかな?
なんて、報酬アップしたからと、すぐに生活レベルをあげようとするのは禁物です。

開業を実現させ実際の運営が始まったら初期の頃は、なかなか売上が伸びず混乱をする店の方が圧倒的に多いのですが、意外に上手くいき、早い時期から売上を上げるお店もあります。
独立開業とは、従業員から自分自身の運営という環境に変わるわけですから、当然過去に働いていた時より報酬をあげなければ意味はありません。
そのため、幸運にも早い時期から売上があがるのは悪いことではありません。
しかし、特に開業後の初期から自分自身の報酬アップに伴い生活レベルも上げてしまうことのないよう注意が必要です。

経営者となった以上は、毎月定額の給与という基準ではなくなります。
ある月は30万円得られたとしても、次月は20万を下回ることもあるかもしれません。
もちろん、50万、60万とさらに上回る月もあるかもしれませんが、毎月定額で30万円取れるという保証はどこにもないのです。
1年間の総売上額面から1年間の総経費を差し引いた額面が実際の報酬です。
今までの手取り月給と比較するならば、1年間の実際の報酬を12か月で割った額と比較しなければなりません。
1年間の集計が終わらないと、今までの給与相当の月額とは比較ができないのです。
そのため、開業2~3ヶ月で高額利益が出せたことにより、それに準じて生活レベルまで上げてしまうと、後で大きく混乱することになります。
特に開業の初年度となる1年間は、当然まだ日々定着した来店サイクルを作り出せていない状態のはずです。
一時的に高額が得られたとしても、1~2ヶ月後はその額面が得られないかも知れません。

開業時というのは、長年貯めてきた自己資金と融資で借りたお金を、ほぼ全て使い果たしてのスタートとなります。
もちろん、この時点で数ヶ月の運転資金を確保することは絶対に必要なことですが、開業総額の中から確保する運転資金は決して十分な額面ではないのです。
開業から1年間は、自分の手元に残る報酬の増減は大きい。
仮に高額利益が出せた月があったとしても、1年間は今までの給与以上の生活レベルにあげることなく、プラス分はすべて運転資金としてストックしましょう。
例えば、今までの月間の給与が25万円だったとして、開業後は30万円にあがったとしても、過去の給与との差額5万円は報酬と考えず、今後の余剰金として残す運転資金として考えましょう。
1年間は現状維持という基準でのぞみ、1年間の1クールで運営の感触を掴んだところで、あらためて冷静に考える必要があります。
生活レベルを変更できるか検討できるのは、2年目以降と考えましょう。

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