物件選びの検討基準は、「お客さま目線」も必要
多くの開業者の開業時の物件選びの基準は、「お客さまの目線」より、「自分が作業しやすいかどうか」という基準の方を重視する傾向が強いようです。
何を基準に「よい物件」と判断するのか
物件を探している段階から、「外からその物件に辿り着くまでの道のり、周辺環境」よりも、「物件の室内側」を吟味し物件を選ぶ判断基準にしてしまいます。
例えば美容室なら「施術椅子が何席とれるのか?」「シャンプー台はいくつとれそうか?」「ウェイティングスペースは広く確保できそうか?」etc…
自分の作業効率重視の判断基準が強く、外から店内に辿り着くまでの客の視点は二の次に。
そして、「人目に付きやすい場所で店を構えれば、おのずと客は入って来やすく、お店の場所を認知しやすいはず。」
と考え、少しでも人通りの多いところ、すなわち繁華街や商店街、駅前などを好立地と判断するようです。
「営業する側の目線」と「お客様目線」は異なる
しかし、ここを「お客さま目線」で想像してみましょう。
そもそも、人通りが多い道を歩いている時、「あ、ここにお店がある。入ってみよう」という動機に必ずしも繋がるのでしょうか?
お客さまは、お店の位置を認識していたとしても、今の時代、手軽にスマホを使ってホームページなどで事前に店の情報を閲覧し、メニューや料金などを確認するでしょう。
様々な検証をした上で、来店を決意してくるのであって、外を歩いているだけで来店する決意をするというのは考えにくいですよね。
また、駅前商店街に面していて人通りの激しい立地の場合、10メートル程度離れて見てみると、沢山のお店に埋もれてしまい、どこがお店なのか存在がわかりにくい。
繁華街ともなれば、外部の騒音、喧騒も大きく非常に賑やか。そんな環境で、仮に店側が「極上の癒やしを得てもらいたい!」というコンセプトを持っていても、お店の前を行き来する人が多いことにより、お客さまにとっては、落ち着かなかったり、入りにくかったりという意識に繋がることも。
実は、目抜き通りのド真ん中に店舗を構えるより1~2本路地をずれて、やや落ち着いた場所の方が結果的に有利なことも大いにあり得るのです。
はじめて店に来店する客が、店の場所を探しながら訪れる際にも多くの店舗に埋もれているような場所より、
若干人通りが減り、立ち並ぶ店も少なめの路地にある場所のほうが10メートル離れた場所からでも認知しやすいと考えることもできますよね。
物件を探す場合は、「営業する側の目線」だけではなく、「お客さま目線」からも検討してみることを心がけましょう。
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