bh 飯島由敬・著書ご紹介–
設計は、一級建築士に頼むのが安心?
「お店の設計は、一級建築士とか二級建築士に頼んだほうが良いんですよね?」
という質問をされることがよくあるのですが、
この答えは「建築士の肩書だけで良いか悪いか判断はできない」となります。
建築士といえば、やっぱり国家試験をパスした有資格者だから、やっぱ安心!と思われるでしょうけれど、これがセンスの良い素敵なお店を表現できるかどうかとは別次元の話です。
これって、例えば、美容師、理容師さんでも同じことが言えますよね。
理美容の免許は持っているけれど…技量の低い人、あるいはまるでセンスのない人…
そういう免許、肩書だけという人いますよね?
車でも同じ。免許は持っているけど運転したことが一度もない!
いわゆるペーパー免許です。
建築士も、これらのニュアンスと同じなんです。
確かに難しい試験をパスしたわけですからたくさん勉強したはずです。
一級建築士ともなれば、相当なまでに努力しないとパスできません。
だから、資格を持っている人は素晴らしいことは間違いありません。
だけどそんな人でも、実務を一度もしたことがないならダメでしょう。
ちなみに私、恥ずかしながら二級建築士の免許は持ってます。
でもこれ、思いっきりペーパー免許です。
一応、住宅や小規模なビルの設計もそれなりに経験はしましたが、あらゆる申請ごとや実際の建築士に求められる建築士ならではの実務仕事はしたことがない!
だから私にとって二級建築士という免許は、ただの名札にしかすぎません。
建築法規や、諸手続きの方法、構造的な知識、建築基準法に精通している。
まぁ、建物を建てる上では絶対に必要なことですね。
だけど、必要な要素はそこだけではありません。
「この人物が、すばらしい美的センスを持っているか?」
「過去に同じ業種の店舗を作ったことがあり、該当業種の店舗立ち上げに十分な知識や経験を持っているか?」
「絶対的に必要な電気容量や、給排水の条件、エアコンの必要なパワー等を理解しているか?」
ここがなにより重要じゃありませんか?
私も過去、住宅兼店舗の立ち上げや、住宅専用の設計者とも散々仕事をしてきました。
どの事例も共通で、やっぱりそれぞれの分野、モチ屋というものがあります。
それぞれの仕事に対し、それぞれのプロが集ってグループを構成し、あらゆる足りない部分をフォローし合ってチームで攻略していくものなのです。
もしかしたら一生に一度っきりかもしれない夢の店を出店したいなら、
絶対に該当業種の設計経験豊富な人に!
工事も該当業種の工事経験が豊富な会社に!
これが鉄則です!
いたずらに一級建築士という肩書だけでの人選は要注意ですよ。