bh 飯島由敬・著書ご紹介–
開業場所は、繁華街が有利?
開業地は駅前、繁華街、商店街のような人通りが多いところのほうが、適していますよね?
「そりゃ、そうでしょ」と多くの方は思うのではないかと思いますが、「何故繁華街が良いと思うのか」を考えてみたことありますか?
人通りが多ければお店の存在が認知されやすいから?
お店が目立てば人は来店してくるってことでしょうか?
「繁華街にある店」のデメリットって、考えたことはありますか?将来開業を目指しているのならば、一度考えてみましょう。
そもそも人通りが多いところって“落ち着かない”と思いませんか?
駅前で乗降客が多かったり、買い物客が多ければ賑やかなのは言うまでもありませんが、それが来店率の助けになるかどうかは別次元です。
沢山のお店がひしめくなかに、お店があったからといって目に留まるでしょうか?
繁華街を歩いていて、飛び込みでお店に入ろうとするでしょうか?
私が長年プロデュースし、今だに長期運営を続けている開業事例の中で、実は駅前や繁華街の出店はほぼ1割未満です。
ほとんどのお店が、駅前から少し離れ、繁華街と住宅地の境い目のあたり。これが最も多い立地なんです。
誤解してほしくないのですが、駅前や繁華街がダメだと言っているのではありません。
要は、「自分のやりたいことを貫くのに、駅前が好都合なのか?住宅地が好都合なのか?」という基準が重要なのです。
例えば、美容室なら多くの開業者が考えているお店づくりの基準に、
・癒やしの空間を作りたい。
・少しでもリラックスしてもらいたい。
・穏やかな時間を過ごしてもらいたい。
…なるほど、確かによくある狙いですね。
なのに、そう発言している開業者さん自身が、駅前のパチンコ屋の隣の物件を好物件だと捉えて惚れ込む…
なんかおかしくないですか?
それよりももっと基本的なところ、
・何故、癒やす空間が必要なのか?
・何故、リラックスしてもらいたいのか?
というポイントから、考えてみましょう。
ここで最も重要なポイントは、「誰に対して自分は役に立ちたいのか?」です!
「若い女性が買物ついでにヘアサロンに立ち寄り、綺麗にしてお出かけするを送り出してあげたい!」
まぁ、これなら繁華街に出店地を定めるのは良いかもしれません。
しかし、「小さなお子様を持つ、自分の時間がなかなか作れないお母さんのために、美意識をキープしてあげるお手伝いをしたい!時間制限の中で対応してあげたい!」
もし、それが自分と店の役割だと捉えるなら、駅前や繁華街は向かないことになります。駅前より住宅地の方が有利になるわけです。
このように、自分が貢献していきたい客層に応じて、サービスも、価格も、店の雰囲気も、すべて全てが根底から変わるのです!
物件探しでどの出店地に狙いを定めるかは、この「自分がもたらしていきたい役割、貢献を整理する」ところが第一歩です。
開業の成功は、「物件の出店地ありき」ではないことを忘れずに!
出店地は、あくまでも「役割をまっとうするための舞台」であるということです!