bh 飯島由敬・著書ご紹介–
開業のコンセプトとは?
開業時の「コンセプト」って、どういったものだと思いますか?
開業計画時に開業者さんの口から出てくる「私の作りたいお店のコンセプトは~」という内容は、こんな感じが多いのです。
「木に囲まれた雰囲気がコンセプト」
「癒やしがコンセプト」
「アンティークがコンセプト」
「都会らしさがコンセプト」
「とにかく『今風で』とういうのがコンセプト」
これらは作りたい店舗デザインの方向性でしかなく「空間イメージ」のことです。
多くの場合、それを「コンセプト」という表現で汎用表現してしまいます。
確かに便宜上コンセプトとして表されることもありますが、あえてコンセプトという表現を使うなら、これは「空間コンセプト」です。
「空間イメージ」は、あくまでもお店の雰囲気を構成するたった一つの小さな枝的要素でしかありません。
これらはお店が目指す“店のあり方”を表現したものではありません。
開業におけるコンセプトとして考えるのであれば、「社会的役割=コンセプト」と考えましょう。
「店側がお客様にどんな役に立てるのか?」
「何をしてあげられるのか?」
「自分(店)が何を提供できるのか?」
究極にいえば、「他のお店にはできないけれど、自分ならできること、自分にしかできないこと。」
真の開業時に掲げるコンセプトとは、「客が求めている要望を叶えてあげるには自分の店は何ができるか」を考えた上で掲げる「店の理念」のことです。
「誰に(WHO)」「何を(WHAT)」「どのように(HOW)提供するのか」
これを考え表現することが、正しいコンセプトの考え方であり、将来自分自身が進むべき指標となるのです。