店舗工事費のみ用意できれば大丈夫? ~見落としがちな店舗備品類の買物予算~

出店時の借入って、店舗工事の費用を借りれば良いと考えていませんか?

「手持ちの自己資金は300万で、店舗工事費用には500万円ほどかかる。
ならば、日本政策金融公庫から足りない分の200万円のみ借りればいいんじゃないかな?」
と考えてしまうかもしれません。

確かに独立開業において、最も多くの予算組として費用が必要となるのは店舗工事費であることは間違いありません。
しかし、店舗の工事が完成した段階というのは、その店舗内には物品が何も並べられていない状態です。
業種によって、必要な物は変われども、様々な備品が必要になるはずです。

例えば、美容室ならば、
ウェイティングスペースでいえばソファ、椅子、テーブル、マガジンラック。
カウンターまわりでいえば、iPadなどのタブレット端末・パソコン・プリンター・レジスター・BGM機器・電話・文房具…。
はたまた、パソコンに必要な、会計、顧客管理などのソフトウエア各種。
バックヤードには、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、電子レンジ、洗剤、客用のドリンク、食器。
そして施術において最も重要な、美容施術に必要な薬液他の商材、ワゴン、シャワーコート、タオルなどの備品類。
ここに表した内容以外にも、まだまだ買わなければならないものあるはずです。

店舗工事費で資金を使い果たした場合、これらの物品の購入費用はどこから捻出するのでしょうか?
独立開業時の店舗に関与するすべての要素を用意するためには、「店舗工事費」以外にも、想像している以上に様々な予算が必要なのです。

立派に店舗は完成できたものの、その店舗内に配置する様々な物品を買う費用をすべて見落としていて、開業スタート時から手持の予算をすべて使い果たして、無一文の状態で運営の走り出し、わずか1年未満で閉店してしまう。
このような失敗の原因は単純に「買物の予算組の見落とし」だけであることが多いことは、ぜひとも知っておいてください。
「店舗工事の予算のみ用意できれば開業できるだろう」という考えは、とても危険ですよ!

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