bh 飯島由敬・著書ご紹介–
開業には、神の検定試験が存在する?
念願の開業までのプロセスでは、色々な事が起こるものです。
中には本当にヒヤッとする出来事、もう駄目かもしれないと思えるような重大な出来事など、私は数々の事例を見てきました。
「本当にこんな時期に限って…」と思えるほど、開業オーナーさんに本当に色々な事が振りかかります。
こうした開業前後に起こる様々な出来事って、私はこう捉えています。
『開業、すなわち経営者になる変わり目の時期というのは、アマチュアからプロに切り替わるための【神の検定試験】が存在する』
今までの開業事例において、このプロテストらしき出来事が無かった人はいません。
誰でも必ず直面してきました。直面する問題の大小は、もちろん個人差がありますが、各開業オーナーそれぞれに応じた“大変さ”の逆境が降り注ぎます。
実際に見てきた具体例は、様々。
自分が発注した設計や工事のトラブルなんて、まだ良い方かもしれません。近隣問題は、やっかいですね。
その他にも、
・開業者のご家族の事情(生き死に)で、急に開業ができなくなってしまった。
・不動産契約直前に、急に大家さんが「あなたには、貸すの辞めた」と言い出して予定していた物件を失った。
・今働いているお店をどうしても辞めさせてもらえないような状況が起きてしまった。
・まるで予測不能だったところから開業の妨害に見舞われ開業計画を崩壊させられた。
これらは、恐らく私が見てきた百以上ある事例の、ほんの一部。
まぁ~、本当に色々なことがあったりするものです。
こういった事件事故?不測の出来事というのは、オーナー毎に異なっています。
しかし、問題そのものの質や量は、「各開業オーナーに対して覚悟や決意を再確認させるような出来事」が、絶妙な巡り合わせで降り注いでいるように見えるのです。
開業を止められてしまった事例もありますが、そういった事例は、時期尚早なため何らかの力によりストップがかかったとも思えるような出来事です。
事実、いったん開業計画を中断し、時期が変わり改めて立派な開業を果たした事例では、後から開業者自身が「あの時、開業できない状況に陥って本当に良かった」と言っていました。
「神様は超えられる試練しか与えない」なんてよくいわれますが、これと同じようなニュアンスを感じてしまいます。
あらゆる業種の開業を立ち会ってきた私が見てきた百をも超える開業事例すべてにおいて、必ずこの【神のプロテスト】的な事が起こっていた気がします。
開業はきちんと正しく万全の準備と行動により、本当に効率的に利益を上げ続け、「時間とお金」という次元で理想的な状況を手に入れられるものです。
ただ、そんな都合の良いベストな環境は簡単には手に入れられない。手に入れるためにはそれ相応のテスト、試験、検定のような関門がある。
それがこの【神の検定試験】だと思うわけです。
皆様、ご自身の開業でも、きっとこの関門が、あなたに見合った大きさの難関があると思うのです。
少なくとも現在も退店せずに3年、5年、10年以上健全な運営を続けている私がプロデュースしたお店のオーナーさんは、ほぼ100%これを経験しています。
ということは…成功している人は、すべてこの段階を経験しているということ。
だから、こう考えて下さい
成功している人全てがこの逆境を通過しているのだとしたら?
成功するには逆境が必要だということかも?
だから逆境が来ないと成功が出来ないのかも?
恐らく実際に直面した渦中では、本当に逃げ出したくなるほど辛い。
しかし、それを通過した後、それは経営者になるための「鍛え」だったと思える出来事!
開業前は理想を夢見て楽天的な事を想像するのは、もちろん必要です。しかし、その逆のダークな部分もセットで存在するもの。
そのため、開業に対する強大な決意・覚悟が試される【神の検定試験】は、開業の必須条件と考え、逆風を想定内のこととしておきましょう。