bh 飯島由敬・著書ご紹介–
開業した直後だから、手元にお金がないのは当然? ~『店舗運転資金の考え方』
念願の自分のお店をOPEN!夢を実現しました!手元にお金が残っていないけど、開業できたから稼げるよね!
なんて感じで独立開業をしている方って、結構多いのです。でも、それって、そのあとの店舗運転資金ってどうするつもりなんでしょう。
やっと手に入れた店舗は、いわばガソリンが空の状態で納車された車と同じです。どんなに高性能でとてつもない最高時速が出せる車であってもガソリンが入っていなければ、時速10キロすら出すことができないと思いませんか?
独立開業して店舗は完成。けれども、開業で全ての資金が尽きているという状態。この状態は、ガソリン代を用意せずに車だけ手に入れた状態と同じです。どんなことがあっても開業時に一定の額面を運転資金として、使い切らずに持っておかなければ、店舗運営は行えません。
山登りで言えば、Tシャツ短パンとサンダル履きでは、いかに肉体的才能が高くても、場合によっては死んでしまうかもしれない。航海でも同様、一切の遭難常備品を持たずに船を出すのは危険極まりない行為。開業時に運転資金をゼロでスタートさせてしまう人というのは、この例え話とまるで同じ次元です。
開業まではこぎ着けたものの、オープンを迎えた段階には一文無し状態。
このような開業時のつまづきによって、実は1年間すら運営を続けられず退店している事例が多いのです。
前のお店では抜群の才能を持っていると評価されていたにもかかわらず、僅か開業数ヶ月で退店する羽目に。
これは開業者の才能の高さとは無関係です。「開業を甘く見ていた」ため「知識と準備が不足していた」ということ。
念願の独立開業は、夢が実現した瞬間かもしれません。しかし、動かない車(=店舗)では意味が無い。動かすためのガソリン(=運転資金)を残しておく事が重要!
開業時には、その後の運営に必要な物品の数々を非常に短い期間で一気に買い集める作業を行います。普段の1万円の買物をするのに大いに悩むはずの人物が、この時期に限り数十万円の決済を簡単にしてしまう。
開業なんて生まれて初めて経験する方が多いので、困ったことに普段の金銭感覚が著しく麻痺してしまう危険性が高いのです。しかし、そんな出費続きの中でも、開業後2~3ヶ月間程度は月間の経費が払えるだけの現金を残すことを考えましょう。
開業当初の2~3ヶ月が最も辛く苦しい運営の日々に直面します。とにかく開業半年後の段階までに軌道に乗せることが肝心です。運転資金というのは、この最も苦しい2~3ヶ月で一旦使いきってしまうことを前提にしておくべき資金です。そのため、とてつもなく厳しい開業当初の時期であっても、きちんと毎月の売上の中から新たなる運転資金を生み出し、常に余剰金を作り続ける必要があるということも知っておきましょう。
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