独立開業は20代では早すぎるか?

20代の相談者から「まだ今の年齢では開業って早いですか?」と聞かれると、毎回私は「年齢は全然関係ないです」と答えています。

技術系の職種では、それなりの経験や技量を伴わなければ独立開業などしてはならないと思っていますよね?
たしかに、それら技術の経験がゼロで開業するのはどうかと思いますが、起業という観点から言えば、技術の高さは、あまり関係ありません。
世の中の企業では、「仕事を取ってくる人=営業」「その仕事を提供する人=技術(製作、製造)」の2つに分かれています。
営業の人はモノを作ったりできないけど、モノを欲しい人を絶え間なく連れてくる役目。
技術の人は受注を受けた数が不足しないように、ひたすら製作を繰り返す役目。
例えば美容師・理容師は、後者の技術に属する職種ですよね。

技術畑の人種であっても、独立開業後は前述の営業と技術の両輪がバランスよく動いていないと運営は絶対に成立しません。

世の中の企業では営業の人と技術の人は考え方、基準が異なり、お互いに文句を言い合ってソリが合わないことが多いと思います。
しかし、企業人は大義としてこの営業と技術の双方が協力しあわないかぎり永遠に仕事は成立しないことを心の底でわかっているもの。

技術系の職種の方が独立開業する際に、この至ってあたりまえの「仕組み」をまず受入れることが重要です。

もちろん長年の経験と共に技術が高いに越したことはありません。
しかし、開業後の運営という視点で考えれば必ずしもそれが絶対条件とはいえません。

極端な表現かもしれませんが、修行経験が極めて低い開業オーナーだったとしてもチームを束ねる才量、天性のリーダー的資質、魅力、カリスマ性を持ち得た人物であれば、運営というスタートをすることは可能です。

技術系の職種を10年続けていることも、もちろん素晴らしいこと。
しかし、それは技術畑の10年の経験であって、経営の経験ではありません。
技術の10年ではなく、運営を10年続けているというのはまるっきり次元が異なります。
実際の状況に身を置かなければ決して経験できないのが運営というもの。
自分のお店を持つならば、この運営の経験の方がずっと尊い経験です。

独立開業をするということは、営業職と技術職を絶妙に両立させる必要に迫られる新たなフィールドを得ることであり、独立前よりずっと仕事の質的に大変であるということを理解しましょう。

さて、今回の話の結論!

独立開業、すなわち運営のスタートに適した年齢はあるのか?
答えは「一切関係なし」。むしろ早いほうが良いという考え方もありますね。

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