円満退社できるに越したことはないけど…

独立開業を進めていく上で、ほとんどの方がぶち当たるのが今までの職場を退職する時でしょう。
「できることなら円満に退社したい。」と、誰もが思うことでしょうが、なかなかそう簡単にはいかないものです。
現在の職場のオーナーに「近々、独立開業のために退職したい」と告げる時に必要なエネルギーは計り知れないものがあります。

これは、独立開業をする、ほぼすべての方が経験する難関です。
無事に独立開業を果たして順調な運営をしているオーナーさんの中で、開業当時に円満退社できた人は、どれくらいいるのでしょうか？

開業支援をサポートする私の立場から見てきた正直な所、円満退社できた人というのは極めて少ない。
むしろほとんどの方が、円満退社はおろか、何らかの揉め事を経験して開業を果たしてきたのです。
長年お世話になった職場には、開業者さんはそれなりに感謝の気持ちを持ち、誠意を持ってその旨を伝えていくわけですが、そうそう簡単に送り出してもらえるものではないのです。

そもそも円満退社できる人というのは、こういった考え方もできるのです。
「居なくなられても特に打撃を受けないような人」「他のメンバーでフォローし合えばやり過ごせる程度の人」

円満退社が難しい人は、送り出す側のオーナーさんとして「居なくなられたらヤバイ！」「戦力が一気に落ちる！」「売上に響く！」と思う人。
辞められたら大きな打撃を受ける人物だから、穏やかに新しい門出を祝うことが難しいのです。

独立開業してうまくやっていける人というのは、いわゆる「できる人」な訳です。
技量も、センスも、魅力もあるからこそ「雇われのままの器ではない」ということ。
だから、独立開業して成功を目指す人には「円満退社はありえない」と割りきってしまったほうが良いのです。
退社時に揉めるということは、それほどの人物であるという証です。
bhサポートにより開業した歴代オーナーさんたちのほとんどが、この円満退社できなかった人達です。

開業者の中でも、やり手で超優秀な人ほど、その反作用は大きい。
想像を絶するほどの妨害行為に遭った人も見てきました。
妨害や逆風が非常に大きかった人たち共通で言えることですが、開業後数年間の活躍を見ていると退職時に前の店のオーナーと揉めた理由が本当によく分かるのです。
退社時に大変だった人は、それほど凄い人だったりしますし、本当に開業後は大きな結果を出す人達なんです！

円満退社ができなかった。それは、成功している人達のほとんどが通った道。ということは、成功する人には必ず「辛い退社＝円満に退社できない」というプロセスがあると考えましょう。

こうした逆風の大きさは、“できる自分”のバロメーター！
できれば円満に…ではなく、成功者たちが歩んだ道、必然であると捉えましょう。
円満退社できるかどうかに怯えながら自身のメンタル的なエネルギーを無駄遣いせず、ある意味、開き直った心境で開業を目指しましょう！